皆さん、co2ナルコーシスってよく聞きますよね。学校の授業で出てきたり、先輩方がよく言っていたり。
でも、実際にco2ナルコーシスってなんだ?って、思っている人多いんじゃないですか?
これがわかると、今患者さんに起きている意識障害や呼吸障害が、原疾患やほかの病態から来ているのか、それとも実はco2ナルコーシスを呈しているのか(ほかにも考えられることはありますが。)が、わかる、もしくはわかるための検査をすることができる。
医師や看護師の会話、カンファレンスの中で「ナルコーシスの可能性は?」「先生、血ガス測りませんか?」と、言えるようになります。
今から説明する内容は呼吸ケアに慣れていない人が見ると、少し、ほんの少し、難しいかもしれません。
これからこのブログを充実させて、わからない言葉がでてきても、みんながわかるようにしていきますので、待っていてください。
慢性Ⅱ型呼吸不全での呼吸調節の仕組み
私たちは2つの化学受容体によって、呼吸が管理されています。
- 中枢化学受容体
- 末梢化学受容体
この二つの化学受容体がpo2、pco2に応じて、呼吸を頑張ったり、休めたりしていきます。
中枢化学受容体:pco2の上昇に伴い、呼吸中枢を刺激し、呼吸運動を促進(正確にはpco2上昇に伴う水H+を感知していると考えられている)
末梢化学受容体:主にpo2の低下に伴い、呼吸中枢を刺激し、呼吸運動を促進
ここでよく聞くあの疾患。そう、COPD
このCOPD患者は慢性的にpco2が上昇しており、pco2>45㎜Hgを常に超えているような状態です。
では、COPD患者は中枢化学受容体の働きによって、常に呼吸が促進され、呼吸数爆上がり状態なのか。
否。さすがの中枢化学受容体さんも、そこまで働けません。COPD患者では中枢化学受容体の反応性が鈍化し、多少のpco2の上昇では、ものともしないのです。
COPDの増悪を含むⅡ型呼吸不全患者は、末梢化学受容体が頑張って、呼吸を促進させています。
これが、Ⅱ型呼吸不全を呈している患者の呼吸調整の実際です。
co2ナルコーシスとは
では、co2ナルコーシスとは、なんなのか。どのようにして起こるのか。
前述したように慢性的な肺炎やCOPD患者では、慢性的にpco2が上昇し、中枢化学受容体の反応性が鈍化しています。
そんな患者さんが、
- 感染症を合併したり→全身状態の悪化
- 呼吸抑制のある薬剤を使ったり→自発呼吸の抑制
- 高濃度の酸素が投与されり→末梢化学受容体の反応 よく臨床で話を聞くのはこれでは!?
すると、呼吸抑制が起こり、もともと溜まっているco2に加え、さらにco2が貯留してしてしまいます。
ここでco2が高度に貯留してしまうと、意識障害や昏睡という症状が出現します。
これがco2ナルコーシスです。
なので、Ⅰ型呼吸不全の患者や急性呼吸不全の患者などでは起こりにくい現象です。
co2ナルコーシスの症状
高二酸化炭素血症の症状として
- 頭痛
- 顔面の紅潮
- 四肢の不随意運動(羽ばたき振戦)
- 血圧上昇
などがおこります
これに加えて、co2ナルコーシスを呈すると、
- 意識障害
- 自発呼吸の減少
- 呼吸性アシドーシス
を呈することがあります。
例えば、自分の受け持ち患者が急に意識障害を起こした場合、ナルコーシスについての知識があると
「あ、この人そういえばCOPDがあったな」「呼吸数少ないな、air入りも弱いし。」「昨日の夜から少し酸素化が悪くなって、酸素めっちゃいってたぞ」「これって、、、、、もしや。。。」
「先生!ナルコーシスの可能性は!?血ガス測ってみませんか!?」
と、提案ができるわけです。
まとめ
もし、目の前の患者が低酸素血症を呈しているときも、
「ナルコーシスのリスクがあるから、酸素はあんましいかないで!酸素化は後回し!」
なんて絶対にしないでください。
優先されるべきは低酸素血症です。co2ナルコーシスに注意しながら最優先で低酸素血症を是正してください。
Ⅱ型呼吸不全の患者への酸素投与は
低流量(0.5L~1L)から始める。定期的に血ガスを測定し、po2≧60㎜Hgもしくはspo2≧90%を目標に投与を行います。ベンチュリ―マスクを使用すると高流量でFio2を調整しながら投与ができます。
酸素化はできても、pco2が下がらない場合は、NPPVで補助換気を行うこともあります。
患者さんの状態に合わせて呼吸管理を行いましょう。
おつかれっした!


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